第38号 菜根譚 その2 2005.1
「菜根譚(さいこんたん)」「人よく菜根を咬みえば、則ち百事なすべし」

菜根は堅くて筋が多い、これをかみしみてこそ、ものの真の味わいがわかる。明代末期(16世紀末)に三教(儒・仏・道)兼修の士、洪自誠が自身の人生体験を基に、かみしめて味わうべき人生の哲理を簡潔な語録に著した。また、江戸時代には、加賀藩の武士の教科書として使用された。

〔二九〕 苦心して仕事に励むのは、たしかに美徳である。しかし、あまり苦心してあくせくしすぎると、本性を楽しませ心情を喜ばせることがなくなってしまう。また、さっぱりして執着がないのは、確かに風格が高い。しかし、あまり枯れて干からびすぎると、人を救い世に役立つことがなくなってしまう。

〔五九〕 目まぐるしく多忙なときに、(のぼせ上がらずに)一点の冷静な目をすえておれば、それで多くの苦しい思いをしないですむ。(これに反し)不景気になったところで、(沈み込んだりせずに)一点の熱情を存しておれば、それで多くのまことの趣を味わうことができる。

〔七七〕鳥の中でも、長く伏せていて力を養っていたものは、いったん飛び上がると必ずほかの鳥よりも高く飛び、また、花の中でも、早く花を開いたものは、必ずほかの花よりも早く散る。この道理をわきまえておれば、中途であし場を失ってよろめく心配を免れることもでき、また、成功をあせる気持を消すこともできる。
〔一九九〕 思いどおりにならないことを気にかけすぎるな。また、思い通りになってもむやみに喜んではならない。いつまでも平穏無事であることをあてにするな。また、最初から困難と思って気おくれするな。

「菜根譚」洪自誠・著 今井宇三郎・訳注 岩波文庫より一部抜粋

第39号 春の山野草 予告編 2005.2

暦のうえでは、もう春とはいえ、まだまだ寒い日が続きます。
私どもの店の恒例となりました、春の山菜・山野草の天ぷらの紹介をしたいと思います。例年ですと、4月に入りますと、タケノコとワラビの煮付けからはじまり、山菜や山野草の天ぷらも、日替わりでお出しする予定です。乞う、ご期待!
〜季節の天ぷら〜
※ 時期により、内容は異なります。「季節の天ぷら」がいつはじまるか、当店へお問い合わせ下さるか、または当店ホームページをご覧下さい。

・ 行者にんにく(北海道産) 、ホップ、コゴミ、クロモジの新芽、コシアブラ(酒屋の娘)、ユキノシタ、タラの芽、柿の葉、お茶の新芽、ヨモギ、クロバラ、コンフリーなど

第40号 大鈩不動尊まで歩く 〜丸子探訪その1〜 2005.3

 当店より、東へ約2キロ(車で約7分)に、大鈩(おおだたら)不動尊があります。不動尊は、昔から滝の湧き水をイボにつけて滝不動明王に祈るとイボが落ちるといわれています。縁日が毎月28日にあります。縁日には、朝7時すぎより11時頃まで、朝市が100店程たつので多くの人でにぎわいます。
大鈩の地名の由来は、誓願寺に向かって左方の山裾の清流に、江戸時代末期から明治初期に、刀剣を作った鈩があった事に因んでつけられたといわれています(鈩は略字で本来は「鑪」です)。
2/28(月)、宇津ノ谷から歩いて不動尊まで行ってきました。 往復17,000 歩、約3時間。朝市でキウイや蜜りんご(試食して美味しかった。手作り)を買い、鈴木製茶(当店の看板がある家。是非寄って下さい)で、おでんを食べてきました(それが楽しみだったりして、、、)。今日の朝市では、桃の節句が近いからか、ひし餅が沢山ならべてありました。他に、きんかん、はっさく、季節の野菜、しぼりたて牛乳、漬物、こんにゃく、わさび、山芋、とろろ定食、きんつば、お茶、花、衣類等々がありました。

※国道1号線に「大鈩不動尊」「誓願寺」の看板が出ています。
〔バスでお越しの場合〕 新静岡センターバス停1番乗り場「藤枝駅」行き乗車約30分 「二軒家」下車、徒歩40分(バス停は国道にあり、不動尊までの間に朝市があります。朝市を見ながらの40分は、あっというまです)。

第41号 名もない兵士の詩 2005.4

ニューヨーク大学の壁に掲げられた無名の詩を紹介します。
今から140年前に、アメリカ南北戦争で負けた、南軍の名もない兵士の詩です。
「失意の若者へ」
1、 大きな事を成し遂げるために力を与えてほしいと神に求めたのに謙遜を学ぶようにと弱さを授かった
1、偉大なことができるように健康を求めたのによりよきことをするようにと病気を賜った
1、幸せになろうと富を求めたのに賢明であるようにと貧困を授かった
1、世界の人々の称賛を得ようとして成功を求めたのに得意にならないようにと失敗を授かった
1、求めたものは一つとして与えられなかったが願いはすべて聞き届けられた(中略)私はもっとも豊かに祝福されたのだ

第42号 岡部探訪その1 〜大旅籠 柏屋〜 2005.5
当店から車で西へ約8分、旧東海道沿いに国登録有形文化財の「大旅籠 柏屋(かしばや)」があります。
柏屋は、約160年前の江戸時代(天保7年)に建てられた建物を、現在は、歴史資料館として公開しています。
建物そのものに、創建当時の痕跡がみられます。
当時、柏屋は、岡部宿を代表する旅籠であり、質屋も兼業し、田畑の集積も進んで、かなり裕福であったことが伺えます。
1階のみせの間で、弥次さん喜多さんが皆さんのお越しを待ってますよ。
また、物産館や体験工房(ざる豆腐、こんにゃく、柏餅づくり)も併設しています。となりの「岡部宿公園」でのんびりするのもいいかもしれません。
・開場時間 午前9時〜午後5時
・入館料 大人300円 子供150円
※ 休館日は、毎週月曜日(月曜日が祝日の場合は、その翌日)
・電話 054−667−0018
第43号 カワセミ 〜清流の宝石〜 2005.6

ここ宇津ノ谷を流れている丸子川では、静岡市の鳥"カワセミ"を見ることが出来ます。
全長約17センチ、ほぼスズメ大で、平均寿命は2年です。
カワセミは、翡翠と書き、翼や尾の色が翡翠(ひすい)色をしているので、「清流の宝石」といわれます。
英名ではRiver Kingfisherといわれるように、えさである小魚(フナ、オイカワ、ドジョウなど)を、水面すれすれをまっすぐ速く飛び、ダイビングして捕ります。魚を捕って、元の場所に戻るまでの時間はほんの数秒、水中に消えて一秒もしないうちに魚をくわえて出てきます。まさに魚捕りの王様です。くちばしは、全長の約3分の1にあたり、体と比較するととても大きく、魚を捕る時と巣穴(土手に直径6〜9センチ、水平に50〜100センチの穴)を掘る時にその威力が発揮されます。採餌の間隔は、朝夕は30分、日中は、1〜2時間です。捕った魚をのみこみます。
静岡市では、安倍川や興津川でも、カワセミがいるそうです。清流に棲むことことから良好な自然環境を象徴する鳥となっています。

第44号 星風山斎 2005.7
葉から葉へつたふて涼し竹の雨  羽幸
おき上がる草木の影や夏の月  蝶夢
雲の峰土手行く人を呑まんとす  紅緑
万緑になじむ風鈴夜も昼も    蛇笏
鳴きながら川とぶ蝉の日影かな  巴人
水よりもわづかに涼し瓜の色   樗良
星一つ残して落る花火かな   抱一
天日にせりあがりつつ滝落つる  占魚

店内に掲げてある額は、戊午(つちのえうま)、
つまり1978年の秋に、俳人 上村占魚先生が来静された際に、書いていただいたものです。
「星風山斎」  "星が見えて風が吹く山小屋"という意味だそうです。

第45号 岡部探訪その二 〜ふるさと世界の昆虫館〜 2005.8
岡部町にある「玉露の里」に隣接している「ふるさと世界の昆虫館」にて、
幻のカブトムシ「サタンカブトムシ」の展覧会を開催しています(8月末まで、無休)。
同館では、カブトムシ、クワガタムシ、チョウなどの標本を常設しています。
また、生きている虫も展示しているので、昆虫採集をした事のない子供たちは、実物の迫力を味わえることでしょう。
駿府匠宿でも、同館の協力で、標本の展示と生きているカブトムシに触れる体験コーナーがあります(8月末まで)。

ふるさと世界の昆虫館
静岡県志太郡岡部町新舟1214−5
電話054-668-0340 ※7,8月は無休
http://www.konchukan.co.jp

第46号 郷土のそば 2005.9

食べ方やつなぎ、器などの差異で、その土地の食文化のひとつとして発展したそばの紹介をしましょう。

a.へぎそば(新潟県十日町市) つなぎ・・・布海苔
織物がさかんで、布の糊つけに布海苔の煮汁を使っていたため

b.投(とう)汁(じ)そば(長野県奈川村)
すでに茹でてあるそばを熱い汁(鍋)にさっとくぐらせ温めて食す

c.津軽そば(青森県弘前市) つなぎ・・・大豆

d.越前そば(福井県)
そばに、大根おろしと花がつお、きざみ葱をからめて食す

e.高遠そば(福島県)
高遠城主が会津に伝えた大根の搾り汁で食すそば

f.出雲そば(島根県)
小ぶりの器(割子)に盛られた挽きぐるみのそば

g.板そば(山形県)
杉や檜をそいで作った盆に盛る太くて歯ごたえのあるそば

h.にしんそば(京都府)

i.椀子そば(岩手県)

第47号 もりそばをなぜ「せいろ」ともいうのか? 2005.10

「せいろ」は「蒸籠(せいろう)」の事で、元来は釜の上にはめて、饅頭や団子などを蒸すための器ですが、江戸時代初期、そば切りを、湯通ししないでこの蒸籠で蒸してから供する「蒸しそば切り」が流行りました。
諸説があり、
1.茹でると切れやすいので 
2.蒸麦にならって 
3. 当時は、そばうどんは菓子屋で作っていたので蒸す製法が編み出された、、、 とする説があります。
現在、もりそばを蒸籠に盛り付けているのは、この時代の蒸しそばの名残りであると考えられます。
幕末頃の品書きを見ると、「もり」ではなく「蒸籠」の名があるので、蒸籠に盛ることからの「せいろ」という、食器による名目そばであることは、間違いありません。
また、せいろの上に竹のスノコを置くのが一般化したのは、昭和26年頃からといわれています。
それ以前は、はめ込み式が主流だったようです。

第48号 岡部探訪 その3〜玉露の里〜 2005.11

岡部町の特産品である「玉露茶」は、山々の深い緑と朝比奈川の清流に育まれた自然の中で生産されています。
京都の宇治、福岡の八女と並ぶ日本三大産地のひとつとして、まろやかな甘みと、清純な芳香に定評があります。
「玉露の里」のなかの本格的な茶室「瓢月亭」では、煎茶または抹茶をいただく事も出来ます。庭園を散策するのもおすすめです。

静岡県志太郡岡部町新舟1214−3
電話 054−668−0019  営業時間 午前10時〜午後5時
休業日 第4月曜日、2月の第4火曜日、年末年始
入館料 瓢月亭500円(玉露または抹茶、茶菓子つき)

* 「玉露の里」、「大旅籠柏屋」共通券もあります
* 当店より車で約20分

第49号 おかげさまで開店5周年

当店は、おかげさまで、12月18日をもちまして開店5周年を迎えることができました。日頃からのご愛顧、ありがとうございます。
開店5年を迎え、最近取り組んでいることは、せいろの簾(すだれ)を制作している事です。
5年もたちますと、だいぶ損傷が目立つようになってきました。新たに買えば済む話ですが、市販されている簾や、竹の材料店に気に入ったものがなかったので、自分で作るしかない、と店主は決意しました。
材料である竹を伐採し(8月に伐採するのが水分を吸っていなくて、いいようです)、竹を削り、両端の2本の竹にドリルで穴を開け、手製の道具を使って糸を通し、編んでいきます。手間がかかる作業なので、少しずつですが、"自家製の簾"に入れ替わる予定です。

※お知らせ 12月31日は、11時から19時迄、通しで営業いたします。 なお新年は、1月6日(金)より営業いたします。

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